平成30年度における相続税の税務調査等の状況の発表がありました。
毎年、相続税の申告書を提出した方に対して税務署からの税務調査が行われているのをご存知でしょうか?
この度、国税庁から平成30年度(平成30年4月~平成31年3月)税務調査の状況についての発表がありました。
1 調査の実績について
相続税の税務調査というのは、申告後すぐには行われません、大体申告してから2年後位に行われることが多いです。
今回の発表においても基本的に平成28年度に発生した相続についての調査となっています。
また、調査対象は税務署で収集した資料情報等から申告が過少であると想定されるものや、申告義務があるにも関わらず無申告と想定されるものに対して行われています。
2 申告漏れの相続財産の状況
調査により把握された申告漏れ財産の構成比をみますと、現金・預貯金が36.5%、有価証券が11.2%、土地が12.2%となっています。
申告漏れの財産の中で、現金・預貯金・有価証券のウエイトが47.7%と非常に高くなっています。このことから、相続税の税務調査は預金等の金融資産に重点が置かれていることが伺えます。
3 海外資産の申告漏れ
近年海外資産に対する申告漏れが目立ってきているところから、税務署も非常に力を入れている所となっています。
今回の報告書では、海外資産の調査件数は1,202件、申告漏れ件数は975件(国内資産も部含みます)と前年比110.3%で増加しています。
海外資産に係る申告漏れ件数は144件、申告漏れ課税価格は59億円となっています。
これからは、海外財産については特に注意していく必要があります。
調査件数に対して申告漏れ等を指摘されている割合は85.7%と非常に高い割合になっています。調査が来た場合はかなりの確率で申告漏れを指摘されると想定されます。
詳細につきましては国税庁ホームページをご覧ください。
国税庁ホームページ