相続財産から控除できる葬式費用とは?

葬式の種類は、宗教や地域的慣習などによりその様式は様々です一般的に行われているのは、仏式、神式、キリスト教式となります。
相続税法では何が葬儀費用に該当するかは、詳細は定められていませんので社会通念上に従って判断をすることになります。
その都度ケースによって判断しなければなりませんが、一般的な場合として解説していきます。

国税庁が提示している葬式費用

まず国税庁では、以下の様に葬式費用を例示しております。

①葬式費用として控除できるもの

  1. 葬式や葬送に際し、またはこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が控除できます。)
  2. 遺体や遺骨の回送にかかった費用
  3. 葬式の前後に生じた費用で通常葬式にかかせない費用(例えば、お通夜などにかかった費用がこれに当たります。)
  4. 葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用
  5. 死体の捜索または死体や遺骨の運搬にかかった費用

②葬式費用と認められないもの

  1. 香典返しのためにかかった費用
  2. 墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用
  3. 初七日や法事などのためにかかった費用

葬式費用として控除できるもの

国税庁の例示を踏まえて具体的に相続財産から控除できる葬式費用を挙げていきます。

  • 通夜、告別式などにかかった一般的な費用
    葬儀場の利用料、棺代、供花、遺影写真、会葬礼状、霊柩車の費用、葬式の際に使用する位牌(白木位牌)・葬儀時の飲食代、喪主のタクシー代等
  • 寺院などへ支払ったお布施※、戒名代、心付け、お車代など
    ※キリスト教式では教会の神父への献金、神式では御祭祀料
  • 火葬、埋葬費用(石材店の彫刻費用は除く)など
  • 死亡診断書の費用
  • 死体の捜索費用、運搬費用

一般的には、上記のような費用は、債務控除の対象となる葬式費用になると思われます。

葬式費用として控除できないもの

一方、債務控除できないものとして、間違いやすいもの、代表的なものを例示しておきます。

  • 香典返しの費用(会葬返礼品は除く)
  • 墓地、墓石、仏壇などの購入費用及び墓地の借入料
  • 位牌の費用(仏壇に飾る本位牌)、霊璽の費用
  • 初七日や四十九日などの法要費用
  • 遺体の解剖費用
  • 親族らの交通費・宿泊代・喪服購入代など
    ※債務控除できる葬式費用は、通常の葬式費用として必要な費用に限られます。

領収書は捨てずにとっておきましょう

債務控除を受けるためには、支払った証拠を残すため、領収書や請求書などを保管しておく必要があります。
但し、寺院などへの心付けなど、領収書などがない場合もあります。
領収書がないからと債務控除できないわけではありません。
支払った日、金額、相手先の名前・住所などをわかるようにメモなどに残しておけば、債務控除しても差し支えないとされています。

この記事を書いた人
あさひ税理士事務所/池袋相続相談センター
代表税理士 千葉実

あさひ税理士事務所代表
税理士事務所勤務時代より法人・個人・相続と様々な業務を経験しており、特に相続関係については、おおよそ20年の経験の中で多くのお客様から高い信頼を頂いております。当事務所の特徴としては大手事務所にはないフットワークの軽さや相続専門税理士が誠実にお客様に寄り添いながらご対応させて頂くことです。
2019年に池袋相続相談センターのホームページを公開し、司法書士と共同で連携をとることにより相続に関する様々な事の無料相談をお受けしております。年間相談件数は80件以上。相続税に限らず、遺言書作成、預金・株式・不動産等の名義変更、生命保険の解約手続き、相続放棄まで一つの窓口で完結できる体制を整えております。

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