相続が発生した場合の遺産分けの2つルール
相続が発生した場合には、通夜、葬儀、死亡届、その他色々な手続きあります。
そうして、四十九日が終わったころから、遺産相続について考える方がほとんどです。
では、遺産相続とはどのように行うのでしょうか?
1 被相続人の遺産を洗い出す
不動産や通帳がある預金などは分かり易いですが、その他の預金、株式、ゴルフ倶楽部の会員権、骨とう品、借金はないかなどしっかりと探す必要があります。
この遺産の洗い出しで、借金が多かった場合は「相続放棄」についても検討しなければなりません。原則として「相続放棄」は相続から3ヶ月以内となっております。
2 遺言書があるかどうかを確認しましょう
遺言書は主に、自筆証書遺言(自署・各自押印)と公正証書遺言(公証役場で作成する遺言)があります。
事前に遺言があるかどうかを聞いていればいいのですが、聞いていない場合でかつ、遺言書があるかどうか疑わしい場合は、まず自筆証書遺言については自宅・貸金庫等を確認します。
また、法務局の遺言書保管制度というものがありますので、最寄りの法務局に照会してみます。公正証書遺言については、基本的に被相続人が謄本(控え)を持っていますが、公証役場でも照会ができます。
3 遺産の分け方の2つのルール
遺産分けのポイントは遺言書があるかどうかということになります。
- 遺言書がある場合は、遺言書の内容の通りに遺産を分けます。(注1)
- 遺言書がない場合は、相続人全員の話し合いで遺産の分け方を決めます。この話し合いを「遺産分割協議」と呼びます。
(注1)遺言書があったとしても「相続人全員の合意」があれば遺産は「遺産分割協議」で分けることが出来ます
4 遺産分割協議
皆さんよく誤解されているのですが、「遺産は法定相続分通りに分けなければならない」という思い込みをしている場合が多いです。
法定相続分とは、民法で決められている相続人の取り分です。
例えば、配偶者と子供がいる場合は1/2ずつ(子供が複数いる場合は1/2を均等に割ります。)
この割合の事を「法定相続分」といいます。
民法では、相続人の取得割合の目安を定めていますが、これはあくまで目安なので「必ずこの割合で分けなければならない」ということはありません。
つまり、遺産分割協議で全員の合意を得れば、どのような分け方をしても自由なのです。
例えば、相続人が母、長男、次男の3人がいた場合に、相続人全員が合意すれば「母が遺産の全てを取得する」、「全員で1/3ずつ取得をする」、などの分け方でも構いません。
5 実際に相続財産を分けるときは相続税額も関係してきます
相続財産の取得割合は遺産分割協議で自由に決められますが、財産の分け方によって相続税額も大きく変わってきますので特に注意が必要です。
もちろん、税金がすべてではありませんが遺産分割をする時には税理士などの専門家と相談をして決めることをお勧めいたします。