(相続相談事例)被相続人が戦没者の遺族として受けていた特別弔慰金は相続できる?
1、戦没者特別弔慰金とは?
「戦没者特別弔慰金」とは、先の大戦において、国のために尊い犠牲となられた軍人・軍属・準軍属の方々に思いをはせ、今日の日本の平和と繁栄の礎となったその功績に対し、国として改めて弔慰の意を表すために、ご遺族の方々へ支給される記名国債のことです。
5年毎に、基準日に生存している戦没者の遺族へ記名国債で支給されます。
2、相談事例
特別弔慰金を受給していた戦没者の遺族がお亡くなりになって、未換金の額面22万円の5年償還の記名国債がありました。
回答:特別弔慰金債権22万円は相続できます。また、相続税は課税されません。
3、具体的な内容
戦没者特別弔慰金は相続できる?
戦没者特別弔慰金は、支給対象者が亡くなった場合、その相続人が請求権を承継して受け取ることができます。
請求前に亡くなった場合: 請求手続き中に請求者の方が亡くなった場合でも、その相続人が手続きを承継して受け取ることが可能です。この場合、民法の相続の規定が適用され、遺言書や遺産分割協議によって相続人を決定します。
国債受領後に亡くなった場合: すでに特別弔慰金が国債として交付されている場合で、記名者が亡くなった場合でも、相続人が国債の記名を変更することで引き続き償還金を受け取ることができます。手続きは償還金支払場所(郵便局など)で行います。
ただし、特別弔慰金を受給できるのは基本的に1名のみであるため、同順位の相続人が複数いる場合は、話し合いによって代表者1名を決める必要があります。
相続税は課税されるの?
戦没者特別弔慰金は、相続税法上、非課税とされています。
これは、戦没者特別弔慰金支給法第12条によって定められています。そのため、相続税の計算をする際に、特別弔慰金の金額を相続財産に含める必要はありません。
一般的に弔慰金は、故人の会社などから支給されるもので、一定の範囲を超える高額なものは死亡退職金とみなされて相続税の課税対象となることがありますが、国や自治体から支給される公的な弔慰金(戦没者特別弔慰金、災害弔慰金など)は、原則として非課税とされています。
ご不明な点があれば、お住まいの市区町村の福祉担当窓口や、専門家(税理士など)に相談することをお勧めします。